フリーランス法に関するメモ6

こんにちは、弁護士・税理士の鳥光です。

今日もブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

今回は、フリーランスへの報酬の支払い期日に関する制限についてです。

フリーランス法では、フリーランスが安心して業務を行えるよう、発注者による報酬の支払期日に一定のルールを設けています。

特に、支払いを不当に遅らせることを防ぐため、支払期日には明確な制限が設けられており、再委託の場合に関する特例もあります。

 

1 フリーランス法第4条
フリーランス法第4条において、特定業務委託事業者が特定受託事業者に業務を委託した場合には、一定の期限までに報酬を支払わなければならないことが定められています。

 

この規定は、企業とフリーランスとの間で生じやすい報酬の支払い遅延を防止し、フリーランスの安定した事業運営を図ることを目的としています。

なお、この義務は、従業員を使用している「特定業務委託事業者」に課されるものであり、すべての発注者に適用されるわけではありません。

 

2 基本的な支払期日
特定業務委託事業者は、原則として、物品等を受け取った日または役務の提供を受けた日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に、報酬の支払期日を定めなければならないとされています。

 

また、契約で60日を超える支払期日を定めた場合であっても、原則として、物品等を受領した日または役務の提供を受けた日から60日を経過した日の前日が法定の支払期日となります。

そのため、第4条の対象となる発注者は、契約書や発注書を作成する際には、支払期日が法律に適合しているかを確認することが大切です。

 

3 再委託の場合の支払期日
フリーランス法では、元請事業者から委託を受けた業務をフリーランスへ再委託する場合について、支払期日に関する特例が設けられています。

 

この場合には、一定の要件を満たすことを前提として、元請事業者から報酬の支払いを受ける日までの日数を考慮した支払期日を定めることが認められています。

この特例を利用するためには、元委託業務の支払期日など、公正取引委員会規則で定められた事項をフリーランスに対してあらかじめ明示する必要があります。

フリーランス法に関するメモ5

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弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

今回は、フリーランスに発注する際の、取引に関する条件等の明示についてです。

 

フリーランスに業務を委託する際、発注者には取引条件を明示する義務が課されています。

 

あらかじめ取引条件を可視化にすることで、契約内容に関する認識の違いなどに起因するトラブルを防止することが、この義務の目的です。

 

1 フリーランス法第3条第1項
フリーランス法第3条第1項では、業務委託事業者が特定受託事業者に業務を委託した場合には、原則として直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の公正取引委員会規則で定める事項を、書面または電磁的方法により明示しなければならないと規定されています。

 

この通知は、実務上「3条通知」と呼ばれることがあります。

 

契約書を作成する方法のほか、電子メールやショートメッセージなどを利用して通知することも認められています。

この義務は、フリーランス法上の「業務委託事業者」に広く課されるものであり、発注者の規模にかかわらず遵守する必要があります。

 

2 3条通知で明示しなければならない事項

3条通知では、公正取引委員会規則に基づき、次のような事項を明示する必要があります。

 

①業務委託事業者および特定受託事業者の名称
②業務を委託した日
③委託する業務(給付)の内容
④給付を受領する日または役務の提供を受ける日・期間
⑤給付を受領する場所または役務の提供を受ける場所
⑥検査を行う場合には、その完了予定日
⑦報酬の額
⑧報酬の支払期日
⑨現金以外の方法で報酬を支払う場合には、その方法に関する事項
⑩内容が定められない時効がある場合や、共通事項がある場合の明示事項

 

これらの事項を明確にすることで、契約に関する双方の認識を一致させ、取引上の紛争を未然に防ぐことにつながります。

そのため、発注者は、業務委託を行う際には必要事項を漏れなく記載した契約書や発注書などを作成し、適切な方法でフリーランスに通知することが重要です。

フリーランス法に関するメモ4

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今回は、フリーランスに発注する者の区分と義務についてです。

 

フリーランス法では、保護されるフリーランスだけではなく、発注を行う事業者についても区分が設けられています。

 

発注者の類型によって課される義務が異なるため、自社がどの区分に該当するのかを理解することが重要です。

 

1 従業員がいない個人事業者・一人社長(法人)
発注者がフリーランスである場合、つまり従業員を使用していない個人事業主や、一人で事業を営む法人(いわゆる一人社長の法人)である場合も、フリーランスに業務を委託する場合には「業務委託事業者」に該当します。

 

フリーランスとの取引では、取引条件を書面や電子メールなどで明示する義務が課されています。

 

一方、育児・介護への配慮義務や中途解除時の事前予告義務など、一部の義務については適用されません。

 

2 特定業務委託事業者
「特定業務委託事業者」とは、従業員を使用している事業者であって、フリーランスに業務を委託する者をいいます。

 

企業のほか、従業員を雇用している個人事業主も、この区分に該当します。

 

特定業務委託事業者には、取引条件の明示義務や報酬支払期限の遵守義務、募集情報の的確表示義務、ハラスメント対策に関する体制整備義務に加え、一定期間以上継続して業務を委託する場合には、育児・介護と業務の両立への配慮義務、中途解除等を行う場合の事前予告義務など、より多くの義務が課されています。

 

このように、フリーランス法では、発注者の事業規模や組織体制に応じて義務の内容に差を設けることにより、フリーランスとの適正な取引を実現することを目指しています。

フリーランス法に関するメモ3

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今回は、フリーランス法による保護の対象となる者について説明します。

 

1 フリーランス法における保護対象の定義
フリーランス法では、保護の対象となる者として「特定受託事業者」と「特定受託事務従事者」が定義されています。

 

第2条第1項第1号において、「特定受託事業者」とは、業務委託の相手方である事業者のうち、従業員を使用しない個人または法人(いわゆる一人社長)をいうと定められています。

 

また、同項第2号において、「特定受託事務従事者」は、特定受託事業者である個人および法人の代表者と定められています。

 

2 特定受託事業者
「特定受託事業者」とは、一般的に「フリーランス」と呼ばれる方を法的に定義した概念です。

 

例えば、個人事業主としてデザインやプログラミング、ライティング、コンサルティングなどの仕事を請け負っている方や、従業員を雇用せずに事業を営む法人などが該当する可能性があります。

 

一方で、従業員を使用して事業を行っている事業者は、基本的に特定受託事業者には該当しません。

 

このように定義をし、企業との交渉力に差が生じやすい、比較的小規模な事業者を保護することがフリーランス法の目的の一つとなっています。

 

3 特定受託事務従事者
「特定受託事務従事者」とは、特定受託事業者の業務に実際に従事する者(自然人)をいいます。

 

例えば、フリーランスで活動している個人事業主であれば、その本人が特定受託事務従事者に該当します。
また、従業員を使用しない法人であれば、その法人の役員(代表取締役など)のように、実際に業務に従事している人が該当します。

 

フリーランス法では、育児や介護との両立への配慮やハラスメント対策、解除等に関する制限など、人に着目した保護を行う場面があります。
そのため、事業者そのものだけではなく、実際に業務を行う者である特定受託事務従事者についても定義が置かれています。

フリーランス法に関するメモ2

弁護士・税理士の鳥光でございます。

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今回は、フリーランス法の条文の構成と、所管についてお話をします。

 

1 条文の章立てについて

フリーランス法の制定目的は、主に2つです。
フリーランスと委託事業者との取引の適正化と、フリーランス側が安心して働ける環境の整備です。

法律も、大きく「取引の適正化」に関する部分と、「就業環境の整備」に関する部分とで構成されています。

具体的には、総則に続き、取引条件の明示や報酬の支払期日など、委託事業者が遵守すべき取引上のルールを定めた章と、募集情報の適切な表示や、ハラスメント対策、育児・介護等への配慮など、就業環境の整備に関する章が設けられています。

さらに、行政機関による指導や勧告などの措置や、罰則に関する規定も置かれ、法律の実効性を確保しています。

 

2 公正取引委員会所管部分と厚生労働省所管部分

フリーランス法の特徴の一つとして、複数の行政機関が所管している点が挙げられます。

取引の適正化に関する部分については、取適法に類似することから、公正取引委員会が所管しています。

就業環境の整備に関する部分については、労働法に類似することから、厚生労働省が所管しています。

そのため、実際に問題が生じた場合には、事案の内容に応じて相談先や対応する行政機関が異なることがあります。

フリーランス法に関するメモ1

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弁護士・税理士の鳥光です。

時折、フリーランス法に違反した出来事を、ニュースなどで目にするようになりました。

今回からは、フリーランス法の基本的なことを書いていきたいと思います。

第1回目は、フリーランス法制定の背景と目的についてです。

 

1 働き方の変化とフリーランスの増加

近年、働き方の多様化が進んでいます。
会社等に雇用されるのではなく、個人で仕事を受注する働き方を選ぶ人も増える傾向にあります。
このような仕事の形が、一般的にフリーランスと呼ばれます。

IT技術の発展により、場所を問わずにできる仕事が増えたことや、副業を認める企業が増えたことも、その背景にあると思われます。

フリーランスは、自ら仕事を選択しやすく、柔軟な働き方ができるというメリットがあります。
一方、取引先との力関係によって、十分な保護を受けられない場面も少なくありませんでした。

なお、今回、フリーランスの法的な定義については便宜上割愛いたします。

 

2 委託する事業者との交渉力、情報収集力の差

フリーランスと委託事業者との間では、交渉力や情報収集力に差が生じることがあります。

例えば、契約内容が曖昧なまま業務が開始され、報酬はそのままに業務の追加や修正要求を繰り返されることや、報酬の支払いを先延ばしにされるなどのトラブルが発生するケースも見受けられました。

個人で活動するフリーランスにとって、継続的な取引を維持することは重要です。
不利な条件でも受け入れざるを得ない状況にあることを、交渉時に衝かれがちなのです。

立場の違いから生じる不合理な不利益を軽減し、公正な取引関係を実現することが求められるようになりました。

 

3 取引の適正化と就業環境の整備

こうした背景から、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(いわゆるフリーランス法)が制定されました。

この法律の主な目的は2つです。
ひとつは、フリーランスと委託事業者との取引の適正化です。
もうひとつは、フリーランスが安心して働くことができる就業環境を整備することです。

具体的には、契約条件を書面などで明示することや、一定の場合には、報酬を一定期間内に支払うこと、不当な返品や報酬減額をしないこと、ハラスメント対策や育児・介護等との両立への配慮をすることなどが定められています。

事業運営と消防用設備等26

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

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今回は、消火器具の部品(バルブ、ホース、ノズル)についてです。

 

消火器は火災時に迅速かつ安全に消火できるよう、各部品が精密に設計されています。
バルブ・ホース・ノズルは、消火薬剤の放射を制御するための部品です。

 

バルブは本体内部にあるサイホン管とホースの間にあり、操作レバーなどで開閉することで消火薬剤の放出を制御する装置です。

 
一般的な事業所等に置かれている消火器においては、上部に設けられたレバーで開閉します。
また、バルブの開閉に用いるレバーには安全栓や封印が付され、未使用であることが確認できるようになっています。

 

ホースは、消火薬剤をバルブからノズルに伝える通路になる部品です。
耐圧性・耐薬品性を備えたゴムや合成樹脂が使用され、長さや曲げやすさも設計のポイントとなります。
ホースに異常があると消火薬剤の散布に悪影響を及ぼすため、定期的に詰まりや破損がないか点検する必要があります。

 

ノズルは、ホースの先に取り付ける部品で、消火薬剤の放射の形状やなどを決定します。
開閉式のものや、霧状放射と棒状放射を切り替える切り替え式のものもあります。
手さげ式の水消火器や強化液消火器のノズルは、霧状に固定されています。

事業運営と消防用設備等25

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今回は、消火器具の部品のうち、本体容器の材質とキャップについてのお話です。

 

消火器は、火災時に確実に動作することを担保ため、耐久性と安全性を備えられるように設計されています。
本体容器とキャップには、消火薬剤や放出用のガス等を密封するという役割があります。

 

本体容器は消火薬剤を内蔵し、高圧に耐える構造であることが求められます。
一般的には鋼製容器かステンレス製の容器が用いられます。
どちらも内部の薬剤と長期的に接触しても化学反応を起こさず、長期間内圧を受けることに耐えられる材質とされています。

 
鋼製の場合、内径が120mm未満の場合には厚さ1mm以上、内径が120mm以上の場合には厚さ1.2mm以上のものを用います。

 
ステンレス製の場合、内径が100mm未満の場合には厚さ0.8mm以上、内径が100mm以上の場合には厚さ1mm以上のものを用います。

 

キャップは消火器本体とレバーやホースを接続し、消火薬剤や放出用ガスを密封する部品です。
容易に外れないこと、放出用ガスや消火薬剤が漏れないこと、整備の際にキャップを安全に外せるよう減圧孔または減圧溝を設けることなどが求められます。

事業運営と消防用設備等24

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

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今回は、消火薬剤の種類と特徴についてお話しさせていただきます。

 

消火器の内部には、火災を鎮めるための消火薬剤が充填されています。
それぞれ特徴や効果が異なるため、火災の種類や性質に応じて適切な薬剤を使い分けることが重要です。

 

一般的な事務所などに置かれている消火器の例としては、粉末消火薬剤と強化液消火薬剤を用いたものが挙げられます。

 

粉末消火薬剤はリン酸アンモニウム塩などを主成分とし、普通火災(A)、油火災(B)、電気火災(C)に幅広く対応できます。
燃焼の連鎖を抑える作用(抑制作用)と酸素遮断効果があります。

 

強化液消火薬剤は、水に添加剤を加えたもので、冷却作用と抑制作用をもって消火します。
特に木材や紙などのA火災に強く、再燃防止効果も高いのが特徴です。
霧状に噴射する消火器であれば、油火災や電気火災にも使用できます。

 

泡消火薬剤は、界面活性剤を含んだ泡で燃焼表面を覆い、冷却および酸素の供給遮断によって消化します。
普通火災、油火災に使用できますが、電気火災には使用できません。

 

二酸化炭素消火薬剤は、酸素濃度を下げて燃焼を抑制します。
油火災、電気火災に有効であり、残留物が残らないという利点があります。
ただし、人が酸欠に陥る危険性があるため、密閉空間での使用は制限されています。

事業運営と消防用設備等23

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今回は、消火器の能力単位についてです。

 

消火器には、それぞれの消火能力を数値で示す能力単位という概念があります。
能力単位とは、一定規模の火災に対してどの程度の消火性能を発揮できるかを示す指標です。
この指標をもとに、建物の規模や用途に応じた適切な消火器の選定や設置数を算定することになります。

 

能力単位は、火災の種類ごとに定められています。
例えば、「3-A」「6-B」などと表示されます。
記号のうち「A」は普通火災(木材・紙・繊維など)、「B」は油火災(ガソリン・灯油など)を表し、数字が大きいほど能力が高いことを意味します。

 
A火災の場合、杉の角材を組んだ模型に点火し、消火することができた模型の数で能力単位を決定します。
B火災の場合、水とガソリンを入れた模型に点火し、消火することができた模型の数で能力単位を決定します。
なお、C火災(電気火災)については、能力単位はありません。

 

小型消火器の能力単位は、A火災に対して1以上、またはB火災に対して1以上でなければなりません。
大型消火器の能力単位は、A火災に対して10以上、またはB火災に対して20以上でなければなりません。

事業運営と消防用設備等22

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今回は、消火器の設置距離および設置個数を減らせる条件についてです。

 

消火器は、火災の初期段階で迅速な対応ができるよう、建物の用途や面積に応じて適切な数を、適切な位置に設置することが求められます。
消防法令では、設置場所までの移動距離(設置距離)と必要個数について明確な基準が定められています。

 

まず、設置距離については、建物内のどこからでも容易かつ迅速に消火器へ到達できるよう、原則として歩行距離20m以内に1台以上を設けることとされています。

 

設置個数については、基本的には防火対象物の用途や床面積に応じた能力単位以上の数の消火器を設置することを求められますが、設置数を減らせる条件も存在します。
具体的には、大型消火器を設置する場合、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備を設置する場合です。
大型消火器を設置した場合には、必要な能力単位を2分の1減らすことができます。
その他の消火設備を設置した場合には、必要な能力単位を3分の1減らすことができます。
ただし、防火対象物の11階以上に設置する消火器具については、能力単位を減らすことができない点に注意が必要です。

事業運営と消防用設備等21

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今回は、地下街等に設置することができない消火器具についてのお話をいたします。

 

地下街や地階などの閉鎖性が高い空間では、使用する消火器具によっては、消火剤が充満し人体に有害な影響を及ぼす可能性があります。
安全性を確保するため、地下街、準地下街、地階・無窓階・居室(換気について有効な開口部の面積が床面積の30分の1以下で、床面積が20㎡以下のもの)に設置してはならない消火器具が定められています。

 

具体的には、「二酸化炭素消火器」と「ハロゲン化物消火器(ハロン1301を除く)」です。
これらの消火器は、油火災や電気火災にも使用できますが、使用時にガスが空間内に充満してしまうと使用者が窒息してしまう可能性があります。
地上階など換気が確保できる場所はともかく、地下街や密閉空間で使用すると避難者や使用者に危険が及ぶため、設置が禁止されています。
ハロン1301を使用するハロゲン化物消火器は、人体への影響が少ないとされているため、例外的に設置が認められています。

 

消火器具の特性と設置環境を踏まえた消火器具の選定はとても重要です。
消火効果はもちろん大切ですが、使用時の安全性にも十分配慮することが求められます。

事業運営と消防用設備等20

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今回は、消火器具の種類と火災の種類についてお話しします。

 

火災は、燃える対象や原因によって性質が異なり、それに応じて有効とされる消火器具も変わります。
消防法施行令別表第2においては、火災の対象物を、主に普通火災(A火災)、油火災(B火災)、電気火災(C火災)に分類し、かつそれぞれに対応する消火器具の区分が定められています。

 

普通火災(A火災)は、建築物その他の工作物が燃える火災で、水や強化液、泡、粉末を放射する消火器が有効とされています。
代表的なものとして、強化液消火器、ABC粉末消火器などが挙げられ、冷却作用や窒息作用によって火を抑えます。

 

油火災(B火災)は、ガソリンや灯油、食用油などの可燃性液体が燃える火災です。
これらは水に浮くため、水を使用するとかえって炎が広がるおそれがあります。
そこで、泡消火器や二酸化炭素消火器、粉末消火器など、酸素供給を断って火を抑えるタイプの消火器が適しています。

 

電気火災(C火災)は、電気設備や配線が原因の火災であるため、棒状の水を放射する消火器や、泡を放射する消火器を用いると感電する危険性があります。
この場合、絶縁性のある二酸化炭素消火器や粉末消火器が用いられます。

事業運営と消防用設備等19

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今回は、消火器の能力単位と算定基準面積についてです。

 

消火器には、1台あたりの消火性能を示す、能力単位という考え方があります。
能力単位は、ある種類の火災に対してどの程度の消火能力を有するかを数値化したものです。
また、火災の種類には、A(普通火災)、B(油火災)、C(電気火災)があります。
例えば、A-2・Bー2・Cと表示されている場合、普通火災の能力単位は2、油火災の能力単位は2になり、電気火災にも対応していることになります。
なお、電気火災には能力単位の表示はありません。

 

建物に設置すべき消火器の本数を決めるの際に、この能力単位を用います。
具体的には、防火対象物の延べ面積を、算定基準面積で割った数字以上の能力単位が必要となります。

 
防火対象物の用途や規模に応じて算定基準面積は異なります。
映画館やネットカフェ、地下街などにおいては、算定基準面積は50㎡となります。
病院や飲食店、共同住宅などにおいては、算定基準面積は100㎡となります。
小学校や図書館、事務所などの場合、算定基準面積は200㎡となります。
防火対象物が耐火構造である場合、算定基準面積は2倍になります(必要な能力単位が半分になります)。

事業運営と消防用設備等18

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

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今回は、消火器具の設置が必要な防火対象物についてのお話です。

 

消火器具は火災の初期段階で素早く消火活動を行うための重要なものです。
消防法では、建物の用途や規模に応じて、消火器具の設置が義務付けられています。
なお、消火器具には、消火器と簡易消火用具がありますが、実際には消火器が設置されることが多いです。

 

まず、防火対象物とは、火災が発生した際に人命や財産に重大な被害が及ぶ可能性がある建物や施設のことで、具体的には、消防法施行令別表第1に定められた学校・病院・劇場・店舗・事務所・工場・共同住宅などが該当します。

(※本ブログ公開時点)

 

設置義務の有無は、主に防火対象物の延べ面積・用途・構造などで判断されます。
例えば、映画館やカラオケボックス、入院施設のある病院、地下街などは、延べ面積に関係なく消火器具の設置が必要となります。
百貨店や幼稚園、共同住宅などは、延べ面積が150㎡以上の場合に消火器具の設置が義務付けられます。
小学校や図書館、事務所などにおいては、延べ面積が300㎡以上の場合に消火器具を設置しなければなりません。
また、電気設備がある場所や、多量の火気を使用する場所にも設置が必要です。

 

設置にあたっては、見やすく取り出しやすい場所に配置し、標識を掲示して誰でもすぐに使用できるようにしておくことも大切です。

事業運営と消防用設備等17

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弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

今回は、消火器具等の検定制度について取り扱います。

 

消火器などの消防用設備は、火災発生時に確実に機能しなければならないため、一定の性能や品質を確保する仕組みが必要です。
そのための制度として、型式承認と型式適合検定があります。

 

型式承認とは、検定対象機械器具である消火器具や消火薬剤などについて、その型式が総務省令に定める技術上の規格に適合しているかについて、総務大臣が承認する制度です。
量産前に行われるもので、この承認を受けなければ販売や設置はできません。

 

型式適合検定は、型式承認を受けて生産した個々の製品が、型式承認を受けた形状等と同一であるかを確認するための検査です。
検査は、登録検定機関である日本消防検定協会が行います。
合格したものには、検定合格ラベルが付与されます。
ラベルがない製品は販売、設置ができません。

 

検定の対象となる機械器具は、消火器、消火器用消火薬剤(二酸化炭素以外)、泡消火薬剤(水溶性液体用以外)、感知器または発信機、中継器、受信機、住宅用防災警報器、閉鎖型スプリンクラーヘッド、流水検知装置、一斉開放弁、金属製避難はしご、緩降機です。

(※本ブログ公開時点)

事業運営と消防用設備等16

弁護士・税理士の鳥光です。

 

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今回は、消防設備士の種類と免状が不要な作業についてです。

 

消防設備士は、消防用設備等の工事や整備を行うために必要な国家資格であり、甲種と乙種に分類されます。
また、消防設備士の免状には1~7類と、特類の全8種類があります。
それぞれ、取り扱うことができる消防用設備等が異なり、試験も別々に設けられています。

 

甲種消防設備士は、防火対象物に対する消防用設備等の工事、整備の両方を行うことができます。
例えば、消火設備や火災警報設備、避難設備などの新設・改修工事を担当可能です。
乙種消防設備士ができることは、防火対象物の整備に限られるため、工事や設計はできません。
6類と7類は、乙種しかありません。
6類は消火器、7類は漏電火災警報器の整備に関する免状であり、いずれの設備も設置に免状がいらないためです。

 

免状がなくても工事や整備ができる消防用設備等もあります。
例えば、屋内消火栓設備やスプリンクラー、水噴霧消火設備などの電源、水源、配管部分、その他の設備の電源部分の工事、整備が挙げられます。
表示灯や、ホース、ノズル等の交換など、軽微な整備も免状がなくても可能です。

事業運営と消防用設備等15

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弁護士・税理士の鳥光です。

 

今回は、消防用設備等の設置と定期点検についてのお話をいたします。

 

消防用設備等は、消防法施行令などに基づき、防火対象物の用途や規模、構造などに応じて適切な種類と数量を設ける必要があります。
対象となる防火対象物に設置した場合には、設置工事完了から4日以内に消防長または消防署長に届出を行い、検査を受けなければなりません。

 

なお、簡易消火用具(水バケツなど)や非常警報器具を設置した場合には、届出や検査は不要です。

 

消防用設備等の設置後は、適切な状態を維持するため、定期的な点検が行われます。
防火対象物の用途や構造、規模によっては、有資格者による点検が義務付けられています。

 

消防法では、防火対象物に設置された消防用設備等について、6か月ごとの機器点検、および1年ごとの総合点検が義務付けられています。
点検内容には、外観や機能の確認などが含まれます。
専門業者の方が事業所などの中で、避難器具の状態や警報器具の動作確認などをされている場面を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
点検結果は台帳に記録し、特定防火対象物は1年に1回、その他の防火対象物は3年に1回、所轄の消防長または消防署長に報告します。

事業運営と消防用設備等14

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

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今回は、消防用設備等の設置単位について説明いたします。

 

消防用設備等の設置単位とは、消防法に基づき、どの範囲や区画に対して、どのような消防用設備等を設置すべきかを定めた基準のことです。

 

まず、原則として、1棟の防火対象物を1単位と捉えます。
消防用設備等の設置義務は、防火対象物の種類や、延べ面積に応じて定められています。
例えば、同一敷地内に防火対象物である建物が複数ある場合には、1棟ごとに延べ面積を算定して、消防用設備等の要否を検討します。

 

1棟の建物であっても、開口部のない耐火構造の床または壁で区画されている場合には、区画された各部分を別の防火対象物とみなして消防用設備等を設置します。
例えば、物品販売場と事務所が、窓や出入り口、換気口のない、耐火構造の壁で仕切られているような場合が考えられます。

 

複合用途防火対象物においては、原則として用途部分ごとに1つの防火対象物とみなし、それぞれに消防用設備等を設置します。
例えば、1階が飲食店、2階が事務所、3階が共同住宅になっている建物の場合、それぞれ別々の設置基準が適用されます。

事業運営と消防用設備等13

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弁護士・税理士の鳥光でございます。

今回は、消防用設備等の内容について説明します。

 

消防用設備等とは、火災の予防・早期発見・初期消火・避難・延焼防止・消防活動の支援などを目的として、建築物や施設に設けられる各種の設備の総称です。
消防用設備等は、消防法に基づき、建物の用途や規模、収容人員に応じて設置が義務付けられております。
大きく分けて「消防の用に供する設備」、「消防用水」、「消火活動上必要な設備」に分類されます。
さらに、消防の用に供する設備は、「消火設備」「警報設備」「避難設備」に分けられます。

 

消火設備は、初期火災の段階で火を消し止めるための設備です。
消火器や屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、泡消火設備、ハロゲン化物消火設備、二酸化炭素消火設備などがあります。

 

警報設備は、火災の発生をいち早く感知し、建物内外に知らせることで、迅速な避難や初期対応を可能にする役割を担います。
代表的なものとして、自動火災報知設備、非常警報設備、ガス漏れ火災警報設備が挙げられます。

 

避難設備は、火災時に建物内の人々が安全に避難できるようにするための設備です。
誘導灯、誘導標識、避難はしご、救助袋、滑り台などがあります。

 

消防用水は、防火水槽またはこれに代わる貯水池その他の用水のことをいいます。

 

消火活動上必要な設備は、消防隊が現場で迅速かつ安全に消火活動を行うための補助設備です。
排煙設備、連結送水管、非常用コンセント設備などがあります。