【受験シリーズ】7 勉強方法は本当に人によりけり

今年も終わりに近づきました。

 

今年は年が始まってすぐにコロナウィルスが流行り,対応に追われる事態に陥った方も多かったかと思います。

 

来年のことを完全に予想することは誰にもできませんが,今年のようなことがないことを祈ります。

 

弁護士法人心の鳥光でございます。

 

受験シリーズの7回目です。

 

今回は司法試験の勉強方法についてです。

 

突き詰めれば,勉強方法は全員がオリジナルになります。

 

もっとも,自分が正しいと思う勉強方法を考えるうえで,根拠となる合理的な考え方は持っておくべきです。

 

今回は,ゼミを組むか否か,書いて勉強するか読んで勉強するかという観点から,私の実例と考え方を紹介します。

 

1 他のロースクール生とゼミを組むか否か
これは,意見が分かれるところです。

一方で,司法試験に受かったわけでもない人たちで議論しても正解にたどり着かない(かえって混乱する)という考えもあれば,他方で,答案作成のペースメーカーとしては価値が大きいと考えることもできます。

また,複数のゼミを組む人もいれば,1つか2つという人もいます。

私は1つだけゼミを組んで,過去問の答案作成を中心に行っていました。

答案作成のペースメーカーとしてという側面が一番大きかったです。

また,私以外は成績上位者でしたので,間違ったことを議論するリスクを回避できました。
(上記のゼミは,全員1回で合格し,半数は2桁台の順位で合格しました)

ゼミを1つだけにしていたのは,単に複数ゼミを組むと体力がもたなかったからです。

補足しますと,ゼミを組む場合,他人と一緒に勉強を行う以上,続けられるか否かは,メンバーの能力よりも価値観や考え方が合うか否かも大きく影響します。

 

2 書いて勉強するか読んで勉強するか
感覚的には,とにかく答案を書け,という考えの方が多数派である印象があります。

私自身,書くことの方を重視していました。

最終的なアウトプットとなる答案は,書いて作るものだからです。
もっとも,書くにはある程度まとまった時間や設備(机やイスなど)が必要となります。

そのため,書く場面と,読む場面を分けていました。

ロースクールや家にいるときは書くことを中心とし,それ以外の場面では読むことを中心としていました。

そして,移動やスキマ時間に読めるようにするため,資料(判例集など)は常に携帯していました。

 

3 その他,私の場合
後日詳細を述べますが,私の当時の勉強に対する考えの根底には,成功している人のマネをするという考え方がありました。

司法試験という土俵で成功している人とは,超上位合格者(順位1桁から十数位合格レベル)です。

そこで,極端なやり方ではありますが,ロースクールの講義がすべて終了してから司法試験本番までの3か月間,超上位合格者の再現答案をひたすら写経していた時期がありました。

写経は究極のマネです。

人にもよるかもしれませんが,正しい形から入ることで,思考・理解が後から付いてきました。

特に民事訴訟法については,2月まではロースクールの定期試験で落第スレスレだったところ,直前模試でA判定,5月の本番でもA判定という結果が残せました。

【受験シリーズ】6 ロースクールの講義とのバランス

12月になりました。

 

今年はコロナウィルスの流行という特殊な出来事があり,日常生活においても,経済活動においても,これまでとは全く違った対応を求められる1年でした。

 

弁護士法人心の鳥光でございます。

 

今回は受験シリーズの6回目です。

 

ロースクールに通っている場合,当然ですが必修の講義がたくさんあります。

 

通常,出欠の確認も厳格に行われ,出席日数が足りないと大幅に減点されたり,定期試験の受験資格自体を失うということもあります。

 

そして,予習課題なども多く,答えられないと減点され,これが原因で落第・留年につながるケースもあるため,講義の準備に多くの時間を費やす必要があります。

 

そこで,私がどのようにしてロースクールの講義と司法試験で得点を取る訓練を両立していたか,概要を紹介します。

 

1 物理的に出席することは必須
出席とは,講義が行われる教室に,物理的に自分の身体を置き,名前を呼ばれた時に返事をすることです。

 

これにより出席日数がカウントされます。

 

出席日数という数字が足りなければ,定期試験が受けられなくなることがあり,ロースクールを終了できず,結果として司法試験の受験ができません。

 

この観点から,出席日数という数字を作ることは極めて重要です。

 

2 自分が回答する部分を予測して用意しておく
講義は,教授や講師が生徒をあて,あてられた生徒が回答するという形式のものが多いです。

 

完全にランダムであてることもありますが,多くの場合,席の順や学籍番号順など,一定の法則に従ってあてられます。

 

そのため,いつ,どの課題について自分があたるかを予測し,自分があたる回の課題は重点的に準備しておき,それ以外の期間は答案練習や短答式試験の練習を重点的に行うという切り替えをすることで,講義対策と司法試験で点数を取る訓練の両立ができます。

 

3 未修1年生の時は講義に徹する
未修1年,特に法学部卒でない未修者は,どのみち何もわかっていないため,1年目は講義の予習復習に徹した方が良いかもしれません。

 

私自身そうしていました(というより,それで精一杯でした)。

 

法律用語の定義や,重要判例の中でも誰でも知っているべきものを中心に扱うので,ここを固めておくことは2年目以降に活きてきます。

 

法学部を卒業した人曰く,未修1年の講義は,学部であれば3年かけて行うことを1年で詰め込んでいるとのことですので,2年目以降に合流する既修者と渡り合うためにも,未修1年の基礎固めは重要です。