フリーランス法に関するメモ2

弁護士・税理士の鳥光でございます。

本日もブログにアクセスいただき、ありがとうございます。

今回は、フリーランス法の条文の構成と、所管についてお話をします。

 

1 条文の章立てについて

フリーランス法の制定目的は、主に2つです。
フリーランスと委託事業者との取引の適正化と、フリーランス側が安心して働ける環境の整備です。

法律も、大きく「取引の適正化」に関する部分と、「就業環境の整備」に関する部分とで構成されています。

具体的には、総則に続き、取引条件の明示や報酬の支払期日など、委託事業者が遵守すべき取引上のルールを定めた章と、募集情報の適切な表示や、ハラスメント対策、育児・介護等への配慮など、就業環境の整備に関する章が設けられています。

さらに、行政機関による指導や勧告などの措置や、罰則に関する規定も置かれ、法律の実効性を確保しています。

 

2 公正取引委員会所管部分と厚生労働省所管部分

フリーランス法の特徴の一つとして、複数の行政機関が所管している点が挙げられます。

取引の適正化に関する部分については、取適法に類似することから、公正取引委員会が所管しています。

就業環境の整備に関する部分については、労働法に類似することから、厚生労働省が所管しています。

そのため、実際に問題が生じた場合には、事案の内容に応じて相談先や対応する行政機関が異なることがあります。

フリーランス法に関するメモ1

今日も本ウェブサイトをご覧いただきありがとうございます。

弁護士・税理士の鳥光です。

時折、フリーランス法に違反した出来事を、ニュースなどで目にするようになりました。

今回からは、フリーランス法の基本的なことを書いていきたいと思います。

第1回目は、フリーランス法制定の背景と目的についてです。

 

1 働き方の変化とフリーランスの増加

近年、働き方の多様化が進んでいます。
会社等に雇用されるのではなく、個人で仕事を受注する働き方を選ぶ人も増える傾向にあります。
このような仕事の形が、一般的にフリーランスと呼ばれます。

IT技術の発展により、場所を問わずにできる仕事が増えたことや、副業を認める企業が増えたことも、その背景にあると思われます。

フリーランスは、自ら仕事を選択しやすく、柔軟な働き方ができるというメリットがあります。
一方、取引先との力関係によって、十分な保護を受けられない場面も少なくありませんでした。

なお、今回、フリーランスの法的な定義については便宜上割愛いたします。

 

2 委託する事業者との交渉力、情報収集力の差

フリーランスと委託事業者との間では、交渉力や情報収集力に差が生じることがあります。

例えば、契約内容が曖昧なまま業務が開始され、報酬はそのままに業務の追加や修正要求を繰り返されることや、報酬の支払いを先延ばしにされるなどのトラブルが発生するケースも見受けられました。

個人で活動するフリーランスにとって、継続的な取引を維持することは重要です。
不利な条件でも受け入れざるを得ない状況にあることを、交渉時に衝かれがちなのです。

立場の違いから生じる不合理な不利益を軽減し、公正な取引関係を実現することが求められるようになりました。

 

3 取引の適正化と就業環境の整備

こうした背景から、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(いわゆるフリーランス法)が制定されました。

この法律の主な目的は2つです。
ひとつは、フリーランスと委託事業者との取引の適正化です。
もうひとつは、フリーランスが安心して働くことができる就業環境を整備することです。

具体的には、契約条件を書面などで明示することや、一定の場合には、報酬を一定期間内に支払うこと、不当な返品や報酬減額をしないこと、ハラスメント対策や育児・介護等との両立への配慮をすることなどが定められています。