フリーランス法に関するメモ1

今日も本ウェブサイトをご覧いただきありがとうございます。

弁護士・税理士の鳥光です。

時折、フリーランス法に違反した出来事を、ニュースなどで目にするようになりました。

今回からは、フリーランス法の基本的なことを書いていきたいと思います。

第1回目は、フリーランス法制定の背景と目的についてです。

 

1 働き方の変化とフリーランスの増加

近年、働き方の多様化が進んでいます。
会社等に雇用されるのではなく、個人で仕事を受注する働き方を選ぶ人も増える傾向にあります。
このような仕事の形が、一般的にフリーランスと呼ばれます。

IT技術の発展により、場所を問わずにできる仕事が増えたことや、副業を認める企業が増えたことも、その背景にあると思われます。

フリーランスは、自ら仕事を選択しやすく、柔軟な働き方ができるというメリットがあります。
一方、取引先との力関係によって、十分な保護を受けられない場面も少なくありませんでした。

なお、今回、フリーランスの法的な定義については便宜上割愛いたします。

 

2 委託する事業者との交渉力、情報収集力の差

フリーランスと委託事業者との間では、交渉力や情報収集力に差が生じることがあります。

例えば、契約内容が曖昧なまま業務が開始され、報酬はそのままに業務の追加や修正要求を繰り返されることや、報酬の支払いを先延ばしにされるなどのトラブルが発生するケースも見受けられました。

個人で活動するフリーランスにとって、継続的な取引を維持することは重要です。
不利な条件でも受け入れざるを得ない状況にあることを、交渉時に衝かれがちなのです。

立場の違いから生じる不合理な不利益を軽減し、公正な取引関係を実現することが求められるようになりました。

 

3 取引の適正化と就業環境の整備

こうした背景から、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(いわゆるフリーランス法)が制定されました。

この法律の主な目的は2つです。
ひとつは、フリーランスと委託事業者との取引の適正化です。
もうひとつは、フリーランスが安心して働くことができる就業環境を整備することです。

具体的には、契約条件を書面などで明示することや、一定の場合には、報酬を一定期間内に支払うこと、不当な返品や報酬減額をしないこと、ハラスメント対策や育児・介護等との両立への配慮をすることなどが定められています。