相続財産管理人日誌19

毎度本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

弁護士の鳥光でございます。

 

今回は、相続財産管理人の業務についての19回目の記事となります。

 

今回と次回に渡り、祭祀財産等についてお話しします。

 

相続財産管理人選任申立ての要件の一つに、相続人が不在であると考えられる場合というものがあります。

 

相続人が不在というのは、大まかに、法定相続人になり得る人がいないか、法定相続人がいたが全員相続放棄をした、という場合です。

 

法定相続人がいたケースにおいては、葬儀を済ませ、ご遺骨はお墓に安置されていることが多いです。

 

法定相続人がなり得る人がいないケースにおいては、孤独死などのことが多く、市町村等がご遺体の処理をされていることがあります。

 

このような場合、まずご遺骨の所在を確認しておく必要があります。

 

ご遺骨などの祭祀財産は、厳密には相続財産ではありません。

 

しかし、現実的には放置するわけにはいきませんので、相続財産管理人が最終的な措置をすることが多いです。

 

ご遺骨の所在が判明したら、預かっている人に連絡を取り、一旦引き取ることになります。

 

また、被相続人のご自宅に、ご先祖様やご親族様のお仏壇やご位牌があることもあります。

 

これらについても、ただちに無価値な動産として処分するわけにはいきませんので、措置を考える必要があります。

 

次回は、祭祀財産の処理について、説明します。

相続財産管理人日誌18

今回もブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

弁護士の鳥光です。

 

相続財産管理人日誌第18回目は、不動産の境界確認についてです。

 

被相続人が土地を有していた場合、最終的には売却換価するか、どうしても買い手がつかない場合には国庫に納めるという形になります。

 

そして、債務超過ケースでなく、特別縁故者が存在する可能性が考えられる場合には、売却換価等の処分をするまで、相続財産管理人選任時から1年以上の期間を要することもあります。

 

その間、被相続人の土地と隣接する土地にも動きが生じることがあります。

 

具体的には、隣接する土地が売買されることがあり、その際に境界確認の依頼がなされることがあります。

 

具体的には、隣接する土地の関係者が土地家屋調査士に境界調査と確定を依頼し、その土地家屋調査士から相続財産管理人に対して、境界確認の依頼がなされます。

 

基本的には、スケジュール調整をして、現地に立ち会って境界の位置を確認します。

 

境界確認は、相続財産管理人側にもメリットがあります。 

 

将来的に、被相続人の土地を売却する場合には、境界確認に関する資料が必要になります。

 

被相続人の不動産が古いものである場合、家屋内等を捜索しても、境界確認書を発見できないことがあります。

 

売却前に調査することもありますが、時間も手間もかかります。

 

そこで、前もって隣地側の負担で境界確認をし、境界確認書を取得しておくことで、被相続人の土地の売却が円滑に進められます。