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弁護士・税理士の鳥光でございます。
今回は、空き家の管理や処分をする際に、現場レベルで問題となる、残置物についてお話しします。
残置物とは、家屋の中に残されている物の総称です。
代表的なものとしては、机やいす、ベッド、テレビ、冷蔵庫、タンスなどの家財道具や、着古した衣類などが挙げられます。
残置物が空き家管理や処分に及ぼす影響としては、次の2点が考えられます。
1
財産に関する資料や価値のある財産を調査する作業の負荷が上がる。
2
処分費用がかかる(残置物込みで現状有姿で売却した場合には、処分費用相当額の値引きがなされる)。
1については、通常の生活相応の量の家財道具であれば、あまり大きな問題にはなりません。
問題になるのは、何らかのご事情によって多量の物品や廃棄物が家屋内に溜め込まれてしまったまま(いわゆるゴミ屋敷状態)、持ち主がお亡くなりになられたというケースです。
このような場合、家屋内部の捜索に要する労力はとても大きなものになります。
また、物が倒れてきたり、粉塵を吸い込むといった危険性もあるので、これらを回避するための準備も大切です。
食品など、腐敗する可能性のあるもの(またはすでに腐敗しているもの)は、放置すると汚損が進んでしまうので、すぐに回収して処分する必要があります。
実際私は、ゴミの山の中から、お亡くなりになられた方の預貯金や現金を発見し、管理対象としたこともあります。
2については、管理をする人が自力で処分することができれば、費用は相当抑えられますが、現実には難しいこともあります。
実際には廃棄物回収の専門業者へ依頼することになると考えられますが、その場合は数十万円の費用がかかります。
空き家を改修して住んだり、貸したりする意思がなく、売却する場合には残置物を残したまま現状有姿で買い取ってもらうという方法もあります。
この場合、残置物の処理は買主側が行うことになるので、費用負担も買主になります。
売却価格は、残置物の処分費用を差し引いたものになりますので、土地の価値や家屋の再利用の可否などの諸条件によっては、売却価格はとても低くなる可能性があります。
私が管理していた空き家においても、家屋内には多量の残置物があり、土地の面積は小さく、家屋も取り壊すしかないほど老朽化していたため、東京近郊ではありましたが、売却価格は50万円程度となったケースもあります。
(それでも引き取ってもらえただけ助かりました)