相続財産管理人日誌23

本ブログにアクセスいただき、ありがとうございます。

 

弁護士の鳥光です。

 

相続財産管理人の業務の23回目の記事は、相続財産管理人選任申立て時の財産調査についてです。

 

被相続人の自宅に入ることができるなど、ある程度被相続人の財産に関する情報の調査ができる場合、最低限、現金、預貯金、(ある場合)不動産、負債の情報を裏付ける資料を探します。

 

現金については、まず財布があれば、その中身を見ます。

 

卓上金庫などがある場合、空けることができるのであれば、現金がないか確認します。

 

預貯金については、通帳、カードを探し、被相続人が口座を有している可能性のある銀行を割り出します。

 

残高については、申立時のものが取得できれば良いに越したことはありませんが、あまり重要ではありません。

 

通帳の最終記帳日が古い場合は、金融機関によっては、相続財産管理人でないと記帳できないということもあります。

 

不動産については、権利証等があれば良いですが、無い場合には住所から地番を調査し、登記を取得することができます。

 

負債については、被相続人の家に貸金業者等からの請求書がないか調べます。

 

ある程度預貯金がある場合、滞納状態にならずに銀行引き落としになっていることもあります。

 

CIC、JICCの調査まで行えれば良いですが、相続人が不在の場合には困難であると考えられます。

 

また、水道光熱費、通信費に関する情報もあれば、取得しておきます。

 

そのほか、自動車を持っていることが明らかである場合、車検証や購入時の契約書などを探します。

相続財産管理人日誌22

今回もブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

 

弁護士の鳥光でございます。

 

22回目の相続財産管理人の業務の記事は、相続財産管理人選任申立てについてです。

 

相続財産管理人は、被相続人の利害関係人により、管轄の家庭裁判所に対して、相続財産管理人選任申立てを行うことによって選任されます。

 

申立ての際には、申立書のほか、戸籍謄本類や、被相続人の財産・負債の一覧表(目録)を提出します。

 

被相続人の財産・負債については、判明している限りで問題ありませんが、できるだけ詳細に調査、一覧化した方が、相続財産管理人選任後の処理が円滑に進みます。

 

私が申立代理人となる場合には、依頼者の方から、お持ちの資料等を(差し支えない範囲で)すべてご提供いただき、可能な限り財産・負債状況を整理してから申立てを行います。

 

この方が、相続財産管理人が選任された後、最終的な解決までの時間を短縮できる可能性が高まるためです。

 

もっとも、相続財産管理人選任申立てをする頃には、被相続人が死亡してから長い時間が経過してしまい、財産に関する情報が散逸していることもあります。

 

また、被相続人の自宅の鍵がなく、財産に関する情報の調査が困難であるということもあります。

 

特に、申立権者である利害関係人が、被相続人の親族でない場合(債権者や市町村など)には、このようなことが起きやすいです。

 

財産・負債の調査が難しい事情がある場合には、その旨を予め説明しておくと、円滑な初動対応ができるようになります。