相続の観点でのミニマル化の注意点

ここ数日で急激に下がり,冬も本番といった気候になってきました。

 

東京駅前で相続案件を取り扱っている,弁護士の鳥光と申します。

 

今日もアクセスをいただき,ありがとうございます。

 

先日は,持ち物を最小限に減らす生活スタイルのお話をしました。

 

持ち物を減らす過程においては,通常ウェブサービスなどを利用し,紙媒体等の物理的な存在をIT化によって減らしていくことが多いです。

 

契約書類しかり,金融機関の通帳やカード等しかりです。

 

一般的には,物が少ないほど,その人が亡くなった時に相続人が苦労しないで済みます。

 

もっとも,IT化については注意が必要です。

 

やや極端な例ですが,仕事上の契約書や預貯金のサービスなどをスマホ1つに集約している場合,そのスマホを操作できる人が亡くなってしまうと,財産の情報を調査することが非常に困難になります。

 

仮にスマホ自体は見ることができたとしても,ウェブ上のサービスはIDとパスワードが求められることが大半ですので,これらの情報がわからないと調査ができません。

 

IDやパスワード等の情報を解析するサービスも存在しますが,確実にID・パスワードを割り出せるとは限りません。

 

そのため,もしもの時のために,保有している資産の情報と,これらにアクセスする手段だけは紙媒体等アナログな形で残しておき,信用できる人に保管場所を教えておく等の対応が必要です。

 

または,遺言を作成することが有効です。

 

遺言を作成する過程においては,自身が保有している財産を洗い出す必要があるためです。

 

もっとも,遺言では,契約の名称やその相手方,預貯金がある金融機関等は特定できますが,IDやパスワードは記載しません。

 

そのため,ID・パスワードは別の媒体に記載し,遺言の付言事項等にその保管場所を記載するといった対応をすることが考えられます。

相続人のためのミニマル化

今年も年の瀬となりました。

 

取引先へのご挨拶,会計処理,連休前のタスク消化など,お忙しい方も多々いらっしゃるかと思います。

 

今回もブログをご覧いただき,ありがとうございます。

 

弁護士法人心東京駅法律事務所にて,相続案件を担当している鳥光でございます。

 

小職は,昨年から持ち物,法律関係を整理し,必要なもののみに絞っていくという活動をしております。

 

いわゆる,ミニマリストと呼ばれる生活態様を目指しております。

 

持ち物,法律関係を最小限にすることで,自分が何をどれだけ持っているか,どことどのような法律関係にあるか(特に金銭債権・債務があるか),ということを正確に管理できるようになります。

 

このことは,一般論として,相続を円滑にすることにもつながります。

 

相続が発生した際,初めに相続人を悩ませるのが,相続財産の洗い出しだからです。

 

預貯金がどこにどれだけあるのか,不動産を所有しているか否か,所有しているのであればその資料はどこにあるのか,貴金属など金銭的価値のある動産があるのかなど,被相続人が所有している物や法律関係が多ければ多いほど,調査しなければならないことが増えます。

 

また,財産的価値のない残置物などは,処分に手間もお金もかかり,その費用を巡って相続人間で争いになることもあります。

 

小職自身,明日事故などに遭って死亡する可能性もゼロとは言い切れません。

 

明日自分が死ぬ可能性があることを念頭に置き,その後の家族の負担をどれだけ減らせるかという観点で,日頃から整理しております。