空き家活用の話3

今回も本ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

空き家の売却を考える場合、法律面においても、多くの観点での検討が必要になります。

 

とても重要な検討事項のひとつが、契約不適合責任の扱いです。

 

契約不適合責任とは、あらかじめ目的物に対して取り決めた種類や品質、数量に関して、契約内容に適合しない引き渡しをおこなった場合につき、売主側で負担する責任のことをいいます。

 
契約不適合責任は、2020年4月施行の改正後民法で定められた制度です。

 

空き家の場合、一般的な一戸建て住宅の売却とは事情が異なり、現在の所有者が土地や建物に関する事情を把握していないことも多くあります。

 

特に元の持ち主が高齢者として何年も生活していたという経緯があったりすると、家屋内部が荒れ放題で、物で溢れかえっていることもあります。

 

現在の所有者が捜索をすることも難しく、家の構造や、隣接地との境界に関する書類なども、発見が困難な状態になっていることもあります。

 

さらに、長年放置されていた空き家の場合、老朽化が進み危険な状態になっている、育った樹木が越境している、ということもあります。

 

相続人ではなく、相続財産管理人が空き家を管理、処分する場合は、より事情を把握しにくい状況になります。

 

そこで、契約不適合責任を免責する条項を付して売却することもあります。

 

契約不適合責任を免責する場合、売却価格はどうしても下がる傾向にありますが、放置を続けていてもメリットはあまりありませんので、売れるうちに処分する方が良いと考えられます。

 

また、契約不適合責任を免責する条件での売買は、買主側がリスクを負担することになります。

 

そのため、現状有姿で空き家を買い取るノウハウ等を有している専門業者へ売却することも多く行われています。