【受験シリーズ】3 勉強以外の努力

10月に入り,だんだんと寒さも深まっていくかと思います。

 

感覚的なものですが,昔に比べ,1年間の寒暖差が大きくなった気もします。

 

弁護士法人心の鳥光でございます。

 

9月からスタートした受験シリーズの3回目です。

 

今回は,司法試験に受かるために,勉強以外の部分で採った戦略についてです。

 

まず,ロースクールに入学した当時の私は,以下のディスアドバンテージがありました。

 

1 理工学部出身かつ法律に関係のない仕事をしていたため,法律に関する馴染みすらない

2 当時30代で,他の受験生(大半が20代)と比べ,体力,記憶力,思考力が劣る

 

1は本当に大きなハンデとなります。

特に,2年次に入学してくる法学既修者の方々は,法律の勉強に加え,学部時代から試験で点数を取る訓練を積んできている人も多いので,二重に不利となります。

 

2についても,20代の人と同じペースで勉強してしまった結果,高熱を出したり,下痢が止まらなくなるなど,体調を崩すことが多々ありました。

 

このような状況でしたので,周りと同じことをしていても試験に受かることはできないと考えていました。

 

試験の勉強をすることは当然ではありましたが,それ以外の部分でアドバンテージを作っていくことにも重点を置いていました。

 

具体的には次のことを行いました。

 

・試験会場の近くに住む
試験当日,住み慣れた環境から,徒歩で試験会場まで行けることは,精神面において大きなアドバンテージになったと考えています。

 

仮に試験会場の近くにホテルを手配すると,普段と環境が変わるので,不安は増大したと思いますし,試験会場まで交通機関を使うとなると,事故やトラブルに巻き込まれる不安を抱えなければなりません。

 

試験会場の近くに住むことを実践していた人は少ないと思いますので,相対的にも効果は大きかったと思います。

 

 

・自分の判断で使えるお金を惜しまない
幸い,他の受験生に比べ,自分の名義の口座に入っているお金は,非常に多かったと思います。

 

そのため,誰(親等)とも交渉することなく,独断・即決で数十万円する受験予備校の答案練習の申し込みを行うということもできました。

 

上記の,試験会場の近くに住むことも,ある意味自分の判断だけで年100万円近い金銭(家賃)を使ったと考えることができます。

 

 

・世代差を利用し,人間関係を深めすぎない
他のロースクールの生徒の大半が20代なので,私は一回り上の年代でした。

 

そのため,特に意識しなくとも,深い人間関係はできあがりませんでした。

 

一般論として,ロースクールは割と閉鎖的な世界なので,良くも悪くも人間関係が濃厚になり,時に人間関係のトラブルに発展してしまうことがあります。

 

こうなってしまうと,何らかの形で試験勉強にも悪影響が出てしまいますので,人間関係を深めすぎないことも大切だと考えております。

【受験シリーズ】2 司法試験受験のための資金繰り

10月になりました。

 

これからは寒さも増していくかと思います。

 

気温の変化には気を付けましょう。

 

9月からスタートした受験シリーズ2回目です。

 

今回は,司法試験受験のための資金繰りについてです。

 

私は,理工系の学部出身で,就職後8年間,法律とは関係のない仕事に就いていました。

 

その後仕事を辞め,生活費を含め自費で3年間ロースクールに通い,司法試験を受験して弁護士になりました。

 

これを実現するためには,お金に関する話題を避けて通ることはできません。

 

まず,働きながらロースクールに通うことは困難ですので,多くの場合仕事を辞めることになります。

 

そのため,収入がなくなります(不労所得を持っている人は別ですが)。

 

また,私はロースクールに通うための借金はしないことにしていました(非常用に無利息の奨学金を借りていましたが,全く手を付けておりません)。

 

そうすると,仕事をしている期間にお金を貯め,かつ仕事を辞めた後は出費を抑えるしかありません。

 

以下,私のお金のため方と,出費のコントロールについて紹介します。

 

1 お金のため方
私は仕事を辞めた時点で,退職金を含め1200万円の貯金がありました。

 

これがなかったら,自費で生活費とロースクールの学費を賄うことはできませんでした。

 

前職時代,特に意識して貯めていたのではないのですが,結果論としては,次の要素が貯蓄に貢献していたのだと思います。

 

・家を買っていなかったこと
・車を買っていなかったこと
・付き合いの飲み食いをほとんどしなかったこと
・旅行をほとんどしなかったこと

 

これを守っていれば,自然とお金がたまることが多いと考えられます。

 

実家が会社の通勤圏内であったのですが,会社の近くにマンションを借りて住んでいたので,もし実家から通っていたら,もっと預貯金は多かったと思います。

(ただし,実家からは1時間30分以上満員電車に乗るので,健康を維持できなかった可能性はあります)

 

 

2 無駄な出費は抑え,かけるべきお金はかける
ロースクールに通っている最中は,いわゆる無駄遣いはほとんどしませんでした。

 

毎週のように飲み食いしたり,夏休みや春休みに海外旅行に行ったり,衣類を衝動買いしたりということは全くしませんでした。

 

他方,かけるべきところにはお金をかけました。

 

まず,敢えて実家に戻らず,受験会場の近くで一人暮らしをしていました。

 

これは,試験本番で大きなアドバンテージになりました。

 

そのため,家賃には相当お金をかけました。

 

勉強に使う教材は,最新版を新品で買いました。

 

食事も,外食が中心でしたが,しっかりしたものを摂っていました。

 

また,受験予備校の答案練習も受講しました。

 

司法試験受験に限ったことではありませんが,まとまった種銭を作るということは,新しいことを始めるためには非常に重要であると考えております。