事業運営と消防用設備等6

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

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今回は、防火管理者と、防火管理者選任が必要な防火対象物についてお話しします。

 

防火管理者とは、一定の要件に該当する防火対象物において、火災の予防や初期対応体制の整備など管理する責任を持つ者です。
消防法第8条に基づいて、選任することが義務付けられています。
建物の用途や規模によって、防火管理者の選任が必要かどうかが決まります。

 

例えば、特定防火対象物のうち、自力避難困難者入所施設においては、収容人数10人以上の場合に防火管理者の選任が必要です。
自力避難困難者入所施設以外の特定防火対象物においては、収容人数30人以上の場合に防火管理者の選任が必要です。
非特定防火対象物においては、収容人数50人以上の場合に防火管理者の選任が必要です。

 

同一の敷地内に、管理権限者(建物の所有者や会社の代表取締役など)が同じである防火対象物が複数ある場合、それらを1つの防火対象物とみなして、防火管理者の選任が必要か否かを判断します。

 

防火管理者になることができるのは、管理的、監督的地位にある者です。
さらに、消防機関などが実施する一定の講習を修了した者でなければなりません。

事業運営と消防用設備等5

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弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

今回は、消防同意について説明します。

 

消防同意とは、建築物を新築、改築する際に、建築確認の手続きの中で、その建物が消防法令に適合しているかどうかを消防機関が事前に審査し、同意または不同意の判断を行う制度です。

 

具体的には、建築主事等が建築確認申請を受けた際、所轄の消防長または消防署長に対して図面等の内容を提示し、消防機関の意見を求めます。
消防機関はこれに対して、避難経路、消防用設備などが基準に適合しているかを確認し、同意または不同意の回答をします。
建物の規模や区域(防火地域・準防火地域以外)によっては、消防同意が必要ないこともあります。

 

この制度は、消防機関が建物の設計段階から関与することを可能とし、火災時における安全性を事前に確保するという予防的な機能を果たしています。
後から是正することが難しい構造的な欠陥や、避難に支障を来す設計を未然に防ぐことが可能となります。

 

消防長、消防署長は、建築主事から消防同意の申請を受けた場合、原則として3日以内(建物の規模や敷地によっては7日以内)に同意または不同意を通知します。

事業運営と消防用設備等4

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

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今回は、火災予防のための措置命令、立入検査、防火対象物に対する措置命令について説明します。

 

消防機関が法的権限に基づいて様々な措置や検査をすることができます。
その中でも重要なものとして、「火災予防のための措置命令」、「立入検査」、「防火対象物に対する措置命令」があります。

 

まず、火災予防のための措置命令は、消防機関が火災予防上危険と認められる行為をする者や、火災予防上危険と認められる物件、消火や避難などの消防活動の支障になると認められる物件の所有者等に対して、必要な改善措置を命じることができる制度です。
火災予防のための措置命令は、消防長、消防署長、消防吏員が発することができます。

 

次に立入検査は、消防機関が防火対象物の安全性を確保するために、建物内部の状況を確認する制度です。
個人住居への立入検査は、関係者の承諾を得た場合か、火災発生のおそれが著しく大きく、特に緊急の必要がある場合のみ可能です。
また、消防団員も立入検査は可能ですが、事前に消防対象物および期日または期間の指定が必要となります。

 

防火対象物に対する措置命令には2つの種類があります。
まず、防火対象物の位置、構造、設備、管理の状況が火災予防上危険であるような場合に、防火対象物の回収や除去などを命じるものです。
次に、上述の命令が履行されない場合には、防火対象物の使用禁止などを命じることができます。
防火対象物に対する措置命令は、消防長か消防署長が行うことができます。

事業運営と消防用設備等3

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弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

今回は、消防機関の種類と職員についてお話しします。

 

消防機関には、「消防本部(消防署)」と「消防団」に分けられます。
消防署は、消防本部の下部組織です。

 

まず、消防本部は、市町村が設置する消防機関です。
消防本部の長を消防庁、消防署の長を消防署長といいます。
消防本部や消防署の職員の中には、消防吏員(しょうぼうりいん)がいます。
消防吏員は、いわゆる消防士のことであり、地方公務員です。
消防長等は、火災予防に関する措置命令等の権限を持っています。
また、消防長、消防署長は、防火管理者が作成した消防計画の届出先にもなっています。

 

一方、消防団は非常勤の組織(一部常勤のこともあります)で、地域住民などの有志によって構成される消防機関です。
団員は消防団員と呼ばれ、普段は各自の本業である仕事をしながら、災害時や訓練、地域行事などで活動します。
消防長、消防署長、消防吏員と比べて、権限も制限されています。
例えば、火災予防のための措置命令や、防火対象物に対する措置命令の権限はなく、立入検査の際にも事前の消防対象物および期日または期間の指定が必要とされます。

事業運営と消防用設備等2

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弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

今回は、消火器を設置しなければならない防火対象物と、特定防火対象物について説明します。

 

消火器の設置義務については、防火対象物の種類や規模に応じて、設置基準が定められています。
特に「防火対象物」と「特定防火対象物」の区別は、消火器の設置義務を判断するうえで重要です。

 

まず防火対象物とは、火災が発生した場合に一定の被害が想定されるものであり、消防法施行令別表第1に定められています。
特定防火対象物は、防火対象物のうち、不特定多数の人が利用する施設や、避難に支援が必要な人が多く集まる施設を特に指定したものです。
たとえば、映画館、百貨店、旅館、飲食店、病院、老人ホーム、保育所などが該当します。
これらの施設では火災発生時のリスクが高いため、防火対象物の中でもより厳しい防火対策が求められます。

 

消火器の設置義務については、特定防火対象物であるかどうかによって設置基準が異なります(ただし、一部例外があります)。
たとえば、延べ面積が150㎡以上の特定防火対象物には、原則として消火器の設置が必要とされます。
これに対し、非特定防火対象物(たとえば一般の事務所や住宅など)では、基本的には300㎡以上の場合に設置義務が生じます(重要文化財、倉庫などの例外はあります)。

事業運営と消防用設備等1

弁護士・税理士の鳥光です。
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士業を含め、建物などを使って事業を営む際には、防火に関わる様々な対応が必要とされます。
私自身、防火管理者講習を受講したうえで、防火管理者となっています。

 

法律に基づいた、定期的な消防用設備等の点検も行われています。
今回からは、防火、消防に関する知識や実務について、法律を交えながら紹介していきます。

 

まず、消防法に登場する「防火対象物」、「消防対象物」、「関係者」、「関係のある場所」という用語についてです。

 

① 防火対象物
「防火対象物とは、山林又は舟車、船きょ若しくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物若しくはこれらに属する物」と定義されています。
火災予防の観点から、特に防火上の配慮が必要とされる建物や施設を指します。
劇場や遊技場、病院、ホテル、百貨店など、多くの人が利用し火災時に被害が拡大する恐れのある施設が該当します。

 

② 消防対象物
「消防対象物とは、山林又は舟車、船きよ若しくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物又は物件」と定義されています。
消火活動の対象となるものが広く含まれますので、建築物以外の「物件」(例えば、家具や機材など)という表現がなされています。

 

③ 関係者
「防火対象物又は消防対象物の所有者、管理者又は占有者」と定義されています。
消防法では、関係者に対して、設備の設置、点検、報告などの義務を課しています。

 

④ 関係のある場所
「防火対象物又は消防対象物のある場所」と定義されています。
消防計画や避難計画を作成する際には、関係のある場所がどの範囲に及ぶかを考慮に入れる必要があります。