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弁護士・税理士の鳥光でございます。
今回は、相続税申告における遺産分割協議と遺言の取り扱いです。
遺産分割協議や遺言は、誰がどの相続財産を取得するかを記したものです。
これにより、それぞれの相続人や受贈者の相続税額が確定します。
また、小規模宅地等の特例や、配偶者控除は、遺産分割協議済であるか、または遺言があることが適用要件になっています。
そのため、これらの適用を受けようとする場合には、相続税申告書に、遺産分割協議書または遺言書の写しを添付します(遺産分割協議書の場合、相続人全員の印鑑証明書も必要です)。
遺産分割協議書を作成する場合、被相続人の財産を調査したうえで、どの相続人が、どの相続財産を取得するか、相続人間で協議したうえで、相続人全員の署名押印が必要となります。
各相続人が離れて住んでいる場合などには、遺産分割協議書の作成にも時間がかかることがあります。
相続税の申告期限は、被相続人の死亡を知った日から10か月ですので、遺産分割協議書の作成にかかる時間には注意が必要です。
遺産分割に争いがあり、相続税の申告期限までに遺産分割協議書の作成ができない場合には、一旦法定相続割合で分割したと仮定して申告をします(未分割申告)。
この場合、特例が適用されないため、遺産分割協議がまとまったら、修正申告や更生の請求を行うことになります。
もし、相続人間での話し合いだけでは遺産分割ができず、家庭裁判所において調停を行った場合には、遺産分割協議書の代わりに調停調書を用います。